リトグラフというのは、一体なんなのでしょうか。
リトグラフというのは、版画の一種です。
われわれも、学生時代に版画を作成したことがありますよね。
小さい頃、小学校の高学年の頃には木版画を作成しました。
そしてもう少し大きくなると、鋼板で版画を作りましたね。
木版画であろうと、鋼版画であろうと、原理は同じです。
表面に凹凸をつけることで、そこにインクを乗せるのです。
木版画の場合には、彫らなかった部分にインクが乗ります。
一方、鋼版画の場合には、彫った部分にインクが乗ります。
この方法は、活版印刷から始まるものですが、これを芸術で生かすのは、なかなか難しいものでした。
彫らなければならないので、自分の出したいラインをなかなか出すことができないのです。
そこで登場したのが、リトグラフです。
リトグラフの場合、表面を彫ったりはしません。
リトグラフの場合は、水と油が反発する原理を応用しています。
まず、石版や亜鉛の板を用意します。
そこに脂肪性の強いインクやクレヨンなどで図柄を描きます。
その後化学的処理を施すと、図柄の部分にだけインクが乗り、その他の部分にはインクが乗らなくなります。
これに紙を当ててプレスをすれば、リトグラフの完成です。
活版印刷と同様に、大量に印刷をすることができます。
その上、色も自由自在にすることができる多色リトグラフができると、その活躍の場はさらに広がりました。
フランスの画家は、この多色リトグラフで、今も残る有名なキャバレーのポスターを作製しました。